冬の釧路湿原の自然現象 塘路湖 の御神渡りについて |
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御神渡り(おみわたり)
●御神渡り(おみわたり)って?: 長野県の諏訪湖に諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとへと渡る恋の道であるという言い伝えがあり 実際、大音響と共に突如湖に現れる白い道は神様が通ったあとのようです。
現在でも、諏訪湖では神事として行事がとり行われております。
●御神渡りのでき方:
◇ 日中、気温が上がると今度は氷が膨張する為、両側から氷が押され薄い氷が割れ、せりあがります。 これが何日も繰り返され、御神渡りになります。
◇ 上の写真の頃には、湖から200m離れた塘路ネイチャーセンターにも氷の膨張する大音響が聞こえます。 氷の上に乗ると氷に亀裂の走る音、氷の膨らむ音が湖全体に反響してどこにいるのかわからないような 不思議な感覚にとらわれます。足元では氷に亀裂が入った時の衝撃や細かい亀裂が、まるで足元になにかうごめいている様に縦横無尽に走り回ります。この現象のピークは出現から1、2週間ほどになります。
◇ 下記のリンクは2003年にシラルトロ湖に出来た御神渡りの観察レポートです。 日に日に大きくなる様子がわかります。
12月中旬から1月終わりごろまでは観測することができます。
大雪が降ってしまうと残念ながら雪の下で 溶けてしまいます。年によっては、12月に出来ずに1月に入ってから出来ることもあります。 2月になるとだいぶ解けてしまいますが、痕跡は確認することができます。 2月には屈斜路湖の御神渡りが見頃になります。
*出来始めの頃は特に湖のふちの部分の氷が薄く、水が流れ込む、ガスが出ているなどの条件によって 氷の薄い箇所もあります。御神渡りの亀裂付近も当然、氷は薄くなっています。 シーズン初めの御神渡りが出来てすぐの頃は、地域の詳しい人の同行が無い限り無茶をしないようにしましょう。
条件の良い年には塘路湖を縦断するように、短いものも入れれば3〜4本の御神渡りができます。 お隣のシラルトロ湖や、達古武湖にも出来ることもあります。 湿原の3大海跡湖は水深が浅い為、この大きさのクラスの湖では日本でもっとも早く結氷します。 当然、御神渡りも日本で一番早く出来るということになります。 規模は塘路湖が大きいですが、ここ数年はシラルトロ湖の方が早く観測できています。 地元に古くから住んでいる人(この方は今でも、湖に氷が張るとママチャリで塘路湖を一周するツワモノです)のお話では「30年ほどまえには、人が立ってくぐれる程の御神渡りが出来た」 こともあるそうです。呼び名は昔から御神渡りとよんでいたようですね。
●塘路湖の御神渡りを観察するには: 塘路ネイチャーセンターの冬のネイチャーウォッチングツアーでは、御神渡りがある時期にはもちろんツアーに組み込んで観察を行います。 スノーシューもあるので氷の上が不安でも簡単に歩けます。
また、塘路ネイチャーセンターからキックスレッドを使って湖を疾走したり、 ダニーのマウンテンバイクでのガイドもあります。 塘路湖エコミュージアムセンター「あるこっと」でも御神渡りの情報が得られます。
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